キーテクノロジー

CanguRo

Photo: Yusuke Nishibe

インホイール駆動ユニット

主人に寄り添い並走した際に、“人が違和感を感じない”というコンセプトから、機体の横幅は、成人男性の肩幅程度の600mm以内とした。このサイズは、ライドモード時にライダーの身体との一体感を実現するための必要最小サイズでもあった。 駆動用前輪を先端に備えた2本の脚部は、ライドモード時にライダーの脚との一体感を実現するために細い骨格だけで形成した。特に脚部先端の駆動輪はパワフルかつ超小型・薄型化が必要であるため、駆動系は全てタイヤの中に収めた。 新規開発した インホイール駆動ユニットにより、人と一体化して走行する移動感が実現でき、クイックかつスムースな加減速を発揮できた。

ScanSLAM: fuRo独自のSLAM (Simultaneous Localization and Mapping)技術

CanguRoは、車道と違いカオティックな生活空間で動くため、大型自動操縦車以上の高性能SLAMとナビゲーション技術をその小型ボディに実装しなければならない。この難問を解決するのが、fuRo独自のSLAM技術:scanSLAMである。scanSLAMは世界世界最高レベルの性能を有する。この scanSLAMは、リアルタイムでの地図生成と自己位置推定を可能とし、自律移動に必要なあらゆる基本情報を提供する。その処理内容は、実世界におけるロボット自律移動競技会(つくばチャレンジ)などを経て、絶えず改良更新・最適化が図られ、特に、その処理速度は他社比較においても優位性を持ち、車道のような環境ルールのない歩行者空間においても、有効な地図生成と自己位置推定が可能である。この世界最高性能の技術:scanSLAMを実装することで、CanguRoは、その小型ボディに内蔵されたコンパクトかつ非力なPCでも、大型乗用車に実装された自動操縦機能を上回るナビゲーション性能を実現している。

CAOS & fuRom System (Software Operating and Management System)

fuRo 独自開発のロボット制御用オペレーティングシステム。多様なロボットハードウェアリソース、及び多岐に渡るソフトウェアモジュール群においても、効果的なソフトウェア機能の管理を可能にする。

運動拡張機能(アクティブリーン機能)

CanguRoは、ライドモード時、ライダーの体幹移動をサスペンション部に内蔵されたフォースセンサーにより感知し、二足歩行制御:ZMP法を応用した手法により最適な姿勢にボディを傾け変形させる。この機能により超高速での小回り旋回を、まるでスキーやスケートのように体の動きで実現できる。乗り物を超えた肉体の拡張機器である感覚を操縦者は持つだろう。

感覚拡張機能(ハプティクスによるマシンの状態把握)

ライドモード時、ライダーはハンドル部の力フィードバックにより、旋回半径を、サドル下のボディソニックスピーカーのハートビードの振動で、車速を、ハプティクスによって知ることができる。